部屋の特徴を細かく調べる
壁面置き換え実験

 下の標準ルーム模型(Fig3-3A)とHOTEIの部屋模型(Fig.3-3Bは、基準モードのピークがもっとも多く観測できる部屋の対角線上にスピーカ、マイクを設置して測定したグラフです。これは数多くのポイントで計測されたごく一部ですが、ご覧になって分かるとおり、特に低いモードでのピークが十分に見ることが出来ません。どうしてこのような現象が発生するのか細かく調べてみることにしました。

標準ルーム模型の伝送特性
標準模型の伝送特性
スピーカ L0,W0,H0 マイク L10,W10,H10
Fig.3-3A

HOTEIの部屋模型の伝送特性
HOTEIの部屋模型の伝送特性
スピーカ L0,W0,H0 マイク L10,W10,H10
Fig.3-3B

 実際には壁の厚みによる変化も検討に入れ、標準ルームが15mm厚の合板で作られているのに対し、1.5mm厚の薄い板で囲まれた模型も作成しています。しかし、各基準モードでのピークがやや小さくなるだけで、壁の厚みによる変化を見ることは出来ませんでしたが、HOTEIの部屋のような特徴的な落ち込みの原因を解明するヒントにはなりませんでした。

 そこで、壁一面ずつの特徴を調べることがもっとも分かりやすいだろうと考えました。当初は、音響管や残響室などに壁を設置して調べるということも考えましたが、サイズから見てどれも現実的ではありません。そこで標準ルームの壁を一面ずつ、HOTEIの部屋模型のそれと置き換えることで、壁それぞれの特徴を調べる方法を採用することにしました。6面ある壁のそれぞれがどのように作用して、この特徴が発生するのかを調べることができますが、この方法は模型であるからこそ可能となる手法です。

壁面置き換え法
壁置き換え法
Fig.3-3C

 Fig.3-3Cのように一カ所ずつ置き換えて計測を行いました。外壁に面している壁や間仕切り壁、天井などでは、少しずつの変化を見ましたが、問題は押入部に有ることが判明したのです。

*****  HOTEI  *****
Mar.22.2001

 

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