ネットワークプレーヤー導入 その後 |
前回、前々回とネットワークオーディオについてお話してきましたが、引き続きその後の状況をお伝えしていこうと思います。
電源ケーブルの交換 前回のコラムから変更した点は、電源ケーブルの交換です。電源ケーブルは以前いろいろと試した経験があり、線材の違いや構造の違いなどかなりの時間を費やし試してきました。その結果現在は純正ケーブルの使用が基本になっています。電源ケーブルで音が変化するのはまちがいないのですが、システムチューニングを行う上で大事なことは、現有システムの性能を素直に引き出すこと、音楽的な感触が一番しっくりくることが純正ケーブルでした。もちろん、使用するシステムが変われば結果も変わってくるもかもしれませんが、現状のシステム構成では純正ケーブルが最適と判断しています。Blue Sound Nodeの導入に際しても同じ考えで、しばらく純正ケーブルを使用していましたが、某国内オーディオメーカーの友人の入れ知恵…、いや、情報をもとに電源ケーブルを試したところ、非常に好感触を得たので、すぐに入れ替えることにしました。 今回交換した電源ケーブルは光城精機のKS-MPで、同社は「KOJO」ブランドでオーディオ製品を展開しています。Blue Sound Nodeの電源インレットは一般的な3Pインレットと異なり、メガネ型インレットが採用されています。同社の一般的な3Pインレット電源ケーブルと同様の4NのOFC線材を採用し、メガネ型プラグを採用したモデルです。太さは純正ケーブルよりわずかに太いくらいで、重量も軽く取り回ししやすいしなやかなケーブルとなっています。
音の方ですが、純正と比べ音の重心が少し下がり、音像の骨格がしっかりと描き出されます。音楽の表現力が一段階レベルアップした感じで、試聴時点で採用する動機付けに十分な内容でした。この音質への貢献はもちろんですが、このケーブルが軽くてしなやかな点もNodeへの採用に適しています。メガネ型電源ケーブルの中には重量のあるタイプも存在しますが、Nodeの筐体はわずかに1kg程度です。しっかりしたケーブルは見た目にも頼もしいですが、その場合重量バランスの点で、Node自体がケーブルに振り回される懸念があり、設置性に問題を起こす可能性があります。軽いといってもオーディオ機器ですから、安定してラック上に設置することがセッティングでもっとも重要な点で、物理的なバランスの面でも今回採用したケーブルはNodeと組み合わせに最適と判断しました。 エージングの効果 さて、電源ケーブルを交換してから二週間ほど経過観察してきましたが、しばらくはこの状態で楽しめそうなので、ケーブル交換時のままなっていた取り回しを綺麗に整理しなおすことにしました。これは音質対策というより、入り組んだ状態のままだと結線の経路などが分かりにくく、メンテナンス時に手間がかかることになるので、できるだけシンプルに、一目で結線のルートが掴めるように整えるようにしています。作業は一部のコネクターを外しケーブルのルートをまとめますので、作業後各システムの動作チェックを行ないます。今回はNode関連部分をいじったので、Nodeの動作チェックだけなのですが、なぜか作業前と音が違います。結線にまちがいはなく動作そのものに問題はありません。では、なぜ音に変化があったのかです。しばらくラック回りを観察して気が付きました。Nodeの置き場所が作業前の位置と違っていたのです。 前々回のレポートでラック上でNodeを位置を変えても、ほとんど変化がなかったとお伝えしました。しかし、今は状況が異なるようです。作業前よりラック上で5pほど前に出ているNodeを元の位置あたりに戻すと音楽の表情が落ち着き取り戻します。特に楽器の前後位置の変化が大きいようで、オーケストラものの再生でより顕著に分かります。置き場所で音に変化があるので、いくつかの墓所に置いて音の違いを確認。楽器の配置やボーカルの表情などいくつかの音源を手掛かりに、気に入った場所を探しさらに微調整を行ないました。スタンダードなサイズのアンプ類なら、ラック上の位置関係をおおよその見た目で再現できますが、Nodeは小さいのでさすがに見た目では位置が分かりにくくなります。そこで調整位置にマーカーシールを貼り付けて再現性を確保しました。
しかし、Nodeの置き場所での変化はエージングによるものと推測できますが、TOS-Link、LANケーブル、フェライトコア、LAN経路の見直しそして電源ケーブルと、比較的短時間でいろいろなことを試したので、どの時点であるいはどのアイテムでこういった変化が現れたのかが掴めません。もちろんアイテムを使う場合は、一つずつ検証しながら試していますが、導入当初に音の変化がほとんど無かったので、置き場所については特に気にしていませんでした。結果的にとても満足度の高い状態まで詰めることが出来たので、エージングの効果に感謝して音楽再生を楽しんでいこうと思います。 タイトルを覚えてますか? チューニングネタは以上ということで、最後は配信オーディオに関してちょっと小ネタを。 配信オーディオを始めた直後は、まずは聴きなれた曲やアルバムから聴いていくパターンが多いのではないかと思います。選曲はタブレットやスマホで行ないますが、アルバム単位で聴く場合、ディスクと同じ曲順でタイトル表示されるので、トラックナンバーを覚えていれば選曲に迷うことはありません。しかし、ベスト盤など持っていないアルバムだと収録曲が違うので、オリジナルアルバムとは勝手が違います。ベスト盤のみハイレゾになっていたりすると、やはり聴いてみたくなりますよね。それならば曲名で選曲すれば問題はありません……が、タイトルを覚えていない。 そうです。今まで聴きたい曲はディスクのトラックナンバーで覚えていたので、タイトルを覚えなくても選曲できていました。アナログレコードでも同じで、「A面の何曲目」という聴き方でロクにタイトルを覚えていません。いや、覚える気が無かったという方が正確かもしれません。また、一部のアルバムではカバーアート(いわゆるジャケ写)が異なっている場合があり、アルバムタイトルすら覚えてない場合があったりします。もちろんこういった場合に検索という手段もあるわけですが、そもそも検索語が分からないのに検索もできません。ということで、すぐに見つけられなくて、手持ちのソースを確認するか、これはと思った順番に聴いて行くかなどの対応となります。 ネットワークオーディオでの選曲手順とはこういうことなんですよね。今後はもう少しスマートに選曲できるよう、タイトルを意識して覚えるようにしたいところです。 ……と、反省するのですが、しばらくしたらタブレットに並んだタイトルを読むことなく、上から何行目を選択、なんて操作をしている自分を想像できてしまうのがこまったものです(すでにあきらめモード……w)。 2025/0627 HOTEI(松浦正和) |
|
*本稿でご不明な点、ご質問などございましたら「こちら」までご連絡ください。 スピーカー位置の検討についてのご質問では、お部屋の写真を添付いただけると、イメージがつかめます。その際は正面、後方、左右、天井方向の写真とごく簡単で結構ですので、お部屋の縦横高さの寸法をお送りいただけましたら助かります。 |