ちょっと箸休め

　セッティングや電源などの話が続きましたので、ここらで少し箸休め・・・。

友人の誘いで・・・

　もう25年以上前の話です。友人の誘いであるパーティーに出席しました。私は完璧な下戸なので、お酒の席に行くことはほとんどないのですが、知り合いもたくさん参加するとのことで、たまにはと思い参加した記憶があります。パーティーはこじんまりとした会場で30人も入ればいっぱいになる程度の広さです。立食形式で、お酒のほかおいしそうな料理が並んでいましたので、お酒を飲まない私でも十分に楽しい時間を過ごせました。久しぶりに会った友人と一緒にしばらく話し込んでいると、彼の飲み物がなくなり、一緒にお酒が並んだテーブルの方へ。少し長細い木製テーブルには水割りやワインがグラスに入って並べてあります。冷えたグラスの結露で天板に水じみができています。いや、このシミは昨日今日だけでなく、結構年季入った感じでテーブル自体もこのお店の内装の雰囲気とは、少しテイストが違うと感じました。

思いがけないところに思いがけないものが

　配膳用のテーブルにしては少し形がおかしい・・・

　細長いと思ったら、2つに分かれているのか・・・

　で、側面にスピーカーターミナルのような・・・

　いや「ような」ではなく、まぎれもなくスピーカーターミナル！！

　思わず、テーブルの裏側に回ってみると・・・

　え、えっ、え〜〜〜〜！！

　パ、パラゴン？？

　そうです。テーブルではなく、パラゴンでした。
この時が初めてのパラゴンとの出会いで、しかも見えている側は実は背面で、裏に回って（本来の正面側）初めてあのパラゴンの雄姿が確認できたわけです。つまり、裏が表で、表が裏になっていたのです。しかも音楽を鳴らすためではなく、ただ、配膳テーブルとしてそこにあったのです。
　会場にいた人たちは、特にオーディオに興味のある人がいなかったせいか、私以外おそらく誰も気づいていません。お店のスタッフはスピーカーであることは気づいているだろうと思いますが、お店としては配膳テーブルです。天板の高さも配膳にはちょうどいい具合ですよね。お店のBGMといえば、天井から吊り下げられたBOSEが至極当然といった風情で、淡々とその役目を務めていました。

　後日、オーディオ仲間に報告すると、そのパラゴンを救出してくれる人がいたらいいのにな、という話になりましたが、具体的に動く人はいませんでいた。譲り受けるにも使う人がそこにはいなかったのと、状態が状態なので、音が出るかも不明ですし、キャビネットも相当傷んでいたので、レストアにはそれなりのコストが予想できました。結局、時間の経過とともに忘却の彼方に・・・。今現在そのお店がどこにあったか、まだお店が存在するのかもわかりません。

　音響設計や、セッティングの仕事をさせていただいている現在なら、ビンテージオーディオに精通されている方もお付き合いがありますし、探せば、実際に行動を起こしてくれそうな方が見つかるかもしれないと思うと、ちょっと残念です。皆様の愛機は大切にされ、当たり前に本来の仕事を頑張ってくれていると思います。ぜひ、大事にしてやってください。

パラゴン（1/5 III）
オリジナルサイズを5分の1スケールで再現したモデルです
残念ながら未聴ですので、評価についてはご勘弁ください
写真はAmazonの商品ページより　詳細はこちら

　ということで、今回は箸休め的な話題でした。
　次回からは、ビジュアルのサウンドチューニングについて、という話題で準備を初めています。引き続きよろしくお願いいたします。

2023/2/14　HOTEI（松浦正和）

　スピーカー位置の検討についてのご質問では、お部屋の写真を添付いただけると、イメージがつかめます。その際は正面、後方、左右、天井方向の写真とごく簡単で結構ですので、お部屋の縦横高さの寸法をお送りいただけましたら助かります。

HOTEI'S Note Index