オーディオシステム選び |
セッティングテクニックのご紹介のあとになってしまい、少し順番が逆になってしまいましたが、今回はオーディオシステムの選び方についてお話していきたいと思います。少し前からアナログレコードに再び注目が集まり、少しずつレコードの生産量が増えていたリ、サブスクの音楽配信が充実して、ハイレゾで聴ける音源が増えたりと、音楽を楽しむ環境が広がっていることは、音楽好きにとって大変うれしい状況です。音楽配信はポータブルでも楽しめますが、アナログレコードはやはり家で楽しむもの。レコード演奏や音楽配信をじっくりと聞きたい、といったきっかけでオーディオに興味を持たれた方や、すでにのめり込まれている方もいらっしゃるでしょう。初めて本格的なシステムを考えている方や、今お使いのシステムをさらなる向上を考えている方もいらっしゃると思います。そこで、一歩進んだシステムアップについてご紹介していこうと思います。 好きな音を探そう まず、結論からお話しすると「音楽を好みの音で演奏するシステムを見つける」ということに尽きます。特にスピーカーは大事で、これが自分の好みに合っていないと、かなり苦労する可能性があります。まずシステムアップの土台となる、気に入ったスピーカーを探しましょう。もちろんこればかりは聴くという行動以外に方法はありませんから、最初は広く浅く、数多くのスピーカーシステムを聴いて、その中からこれはと思うものに絞っていきます。何度も試聴を繰り返すなど、行動力を発揮してください。聴くという行動だけでも得るものがあり、繰り返し試聴することは決して無駄ではありません。 お店での試聴 お店ではいろいろなスピーカーが並んでいて、セッティングも十分でないため、製品の本当のところがわからない、というお話をよく聞くことがあります。確かにずらっと並んだ状態ではスピーカーのポテンシャルが活かされているとは言えません。しかし、この状態でもそのスピーカーの素性や、個性の片鱗を確かめることができます。ここで大切なことは正確なクォリティを確かめることではなく、音楽がどのように聴こえるかです。お好みの音源を聴かせてもらい、それが気持ちよく聞こえるか、そうでないか、といったシンプルなパラメーターをチェックします。そうしたのち、心に残った製品に絞っていき、並んだ状態から、単独にセッティングしてもらい、さらに試聴を進めましょう。もちろん、ここまでの作業を1日で進めるのはかなり無理がありますので、複数回お店に行くことになると思います。 好みの音 ここまで何度も「好みの音」というワードが登場しましたが、いきなり好きな音と言われて戸惑うかもしれません。漠然とそういうことがあるとは思っていても、具体的に考えてみるとなかなかとらえきれない部分もあると思います。もちろん、なぜ好きか?と問われても、好きなものは好きなのですから、そこに理由など存在しません。 専門店のすすめ オーディオを始めたばかりの方には専門店は少し敷居が高いかもしれません。でも、専門店だからこそ得られることも大きいので、少し勇気を出して訪問してみてください。もちろんオーディオという凝った趣味ですから、個性の強いお店もあります。その個性があなたに合っていれば問題ありませんが、もし合わないと思ったら、無理にお付き合いする必要はありません。あなたの好みに合わない商品や、お店の都合で商品を売りつけようと感じたら、長いお付き合いは無理だと思います。大都市圏ならともかくオーディオ専門店は希少種ですから、探すのは大変だと思います。また、お住まいから少し離れているかもしれませんし、量販店やネット販売と値段も異なるかもしれませんが、お店と懇意になれば有形無形で得られるものは、価格以上のものになる場合も多々あります。もちろん量販店の中にも非常に熱心で理解のある担当者のいるお店もあります。まずは、好みを理解してくれる、親身に相談に乗ってくれる、信頼できるお店を見つけてほしいと思います。 スペックの確認 オーディオ機器の購入を検討するとき、システムのカテゴリーによっては、あらかじめスペックを確認しておく必要があります。例えば、フォノカートリッジならMM型、MC型で受け側の条件が変わりますし、ごくまれに変わった形状や重量の物があり、使用中のアームに適合するかなどをチェックしておく必要があります。また、サブスク型の音楽配信でハイレゾ音源が聴けるということで、単体のストリーマーが出てきましたが、製品により対応サービスに違いがあり、目的のサービスが使えるかは事前にチェックしておく必要があるでしょう。これら以外でのスピーカー、アンプなどの製品では、接続関係等で特に大きな問題が生じるケースはほとんど無いと思います。 クォリティと評価 オーディオ専門誌の評価や、機器の評価はやはり気になる点だと思います。特にこれから購入を検討する場合は、評価記事やランキングなどは購入候補選びには参考になると思います。もちろん、ここにはクォリティの多少の優劣も存在しますが、誌面で紹介されたものや、国内で正規に入手できる現行製品であれば、クォリティに問題のある製品はまず存在しません。前述のようにいずれを選ぶ場合でもご自身が感じた評価が一番ですから、雑誌や世間の評価、わずかなクォリティの差は、あくまで参考情報にとどめておいて問題はありません。特にランキング記事の多くは投票によるものですから、クォリティが高く、完成度の高い製品に間違いはありませんが、個人の好みが反映されるものではありません。 2022/12/26 HOTEI(松浦正和) |
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*本稿でご不明な点、ご質問などございましたら「こちら」までご連絡ください。 スピーカー位置の検討についてのご質問では、お部屋の写真を添付いただけると、イメージがつかめます。その際は正面、後方、左右、天井方向の写真とごく簡単で結構ですので、お部屋の縦横高さの寸法をお送りいただけましたら助かります。 |