オーディオシステムセッティング第11回:アナログプレーヤー応用編2 |
インサイドフォースキャンセラー(アンチスケーティング) アームの水平、針圧と調整して、最後にインサイドフォースキャンセラー(以下キャンセラー)の調整になります。インサイドフォースはレコード演奏中に針が前方に引っ張られることで、レコード内周方向にアームが引き寄せられる力のことを指します。キャンセラーはその力を打ち消す方向に力を加え、音溝に刻まれた信号を均等にトレースするように動作します。この原理についてはネット記事や書籍で多く説明されていますので、ここでは割愛させていただき、調整法についてお話していきたいと思います。
アナログプレーヤー調整のまとめ ここまでアナログプレーヤーの調整について、部分ごとに調整法をお伝えしてきましたが、最終的には全体のバランスがきちんととれているか、音楽が楽しく聴けるかなどがポイントになります。プレーヤーのラック上の位置、針圧、アームの高さ、インサイドフォースキャンセラー量など音質的に影響しあうパラメーターがいくつもあります。何度か調整をループしながら、好みの音色に寄せていく作業になります。また、CDなどのデジタル音源を聴く際とのバランスもあるでしょう。デジタル系とアナログで整合性を求めるか、逆にそれぞれの特徴をより際立たせる方向に調整していくかは、使い手の思いが大きく反映される部分です。ここまでの調整法をヒントに音楽を聴くことの楽しさ、面白さを存分に味わっていただければ幸いです。 アナログレコード関連グッズ プレーヤー調整の文中で針圧計やベアリングボールなど調整用のグッズをご紹介してきましたが、この他にも便利なものがありますので、いくつかご紹介させていただきます。 〇除電ブラシ すでに多くの方がお使いだと思いますが、レコード盤面のホコリ取りおよび除電効果を狙ったグッズです。レコードは塩化ビニール製で、気が付くと静電気を帯びて、ホコリを吸いよせてしまいます。演奏前に盤面を軽くなでることだけで、十分な効果を得られます。もちろん、定番のフェルト式クリーナーとの併用もお勧めです。 〇スタイラスクリーナー レコード盤面を綺麗にしていても、やはり針先にはホコリや汚れがついてしまいます。普段はスタイラスブラシでホコリを落としますが、何枚か演奏した後に、ブラシだけでは取りににくい汚れがついてしまう場合があります。この時には専用のスタイラスクリーナーを用います。私はリキッドタイプのものを使用していますが、この他にジェルタイプ、モーターでブラシを振動させるものなどいくつかの種類がありますので、使い勝手に合わせて選ぶとよいでしょう。
〇ルーペ・拡大ミラー 針先を確認するためのルーペは、ホコリや汚れを確認するためにあれば便利です。ユニバーサルタイプのアームなら、アームから外して針先を確認します。シェル固定タイプの場合は、お化粧用の拡大式コンパクトミラーが使えます。拡大率10倍程度の物がありますので、アームの下側に置いて、針先のクリーニング時に使用すると便利です。
〇LPレコード用インナースリーブ(CD用もあります) ジャケットにレコードを収納するときに使うインナースリーブです。国内製品のレコードには最初からついていますが、輸入盤では紙スリーブに入っているものがあり、また中古盤を購入したときに、インナースリーブが無かったり、あってもかなり傷んでいたりすることがあります。そんな時に使えるインナースリーブです。やはりレコードは大切に保管したいです。下の写真は帯電防止効果のある製品です。
2022/11/29 HOTEI(松浦正和 |
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