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オーディオシステムセッティング第7回:バイアンプ、バイワイヤリング接続

 前回はプレーヤー、アンプなどの設置方法によるチューニングを解説してきました。今回はバイアンプ、バイワイヤリングの接続についてお話ししていきたいと思います。1台のステレオパワーアンプの場合、左右チャンネルにそれぞれシングルワイヤ、バイワイヤ接続をするシンプルな方法になります。また、モノラルアンプ(ステレオアンプをBTLで使用する場合も含め)2台の場合はそれぞれLch、Rchと分けて使うので、同じくシンプルな接続方法になります。多くの場合、このパターンで接続されていると思いますが、バイワイヤリグ活かすため、スピーカーの高域セクションと低域セクションにそれぞれにアンプを振り分けるバイアンプ接続があります。これにはいくつかの接続パターンが考えられます。

ステレオアンプ2台以上の組み合わせパターン

 次にステレオアンプを2台を使用した場合は、2種類の接続方法が考えられます。ひとつは1台を高域用(HF)、もう1台を低域用(LF)とする手法をここではステレオ接続バイアンプと呼びます。そしてもう一つの接続法は、1台のアンプの2chをそれぞれをHF、LFと分けてLch用アンプ、Rch用アンプとして使用するモノラル接続バイアンプが考えられます。

 そしてステレオ接続バイアンプの場合、同じステレオアンプ2台の組み合わせと、音楽信号がより大きい低域あわせて、出力に余裕のあるアンプを、高域には出力を抑えながらもより繊細な傾向のアンプを使用することで、音質の向上を狙った組み合わせが考えられます。後者では実際に2種のアンプの組み合わせにより、絶妙な効果を発揮した例を体験したことがありますが、その組み合わせを見つけるには、かなりの時間と労力を必要とすることは間違いありません。また、帯域別に異なるアンプをするので、出力ゲイン(入力信号にに対する増幅率)を揃える必要がある点もこの手法の難しさにつながります。ただ、メーカによっては出力の異なるアンプでも、ゲインを共通としているモデルも存在しますので、こういったメーカーのモデルを使う場合は、ゲイン合わせの心配はありません。

 モノラル接続バイアンプでもいくつかの組み合わせが考えられます。前述のようにステレオアンプを2chのパワーアンプと考え、片方をLchのLF、HFで使用する方法。そして、モノラルアンプを4台使用する方法があります。ステレオアンプ2台を使用する場合は、左右で同じアンプを使用することが前提となります。4台のアンプを使用する場合は、ステレオ接続バイアンプと同じく4台の同じアンプを使用する方法と、LF用とHF用に別のアンプを組み合わせる方式があります。


バイアンプの接続例
(上)ステレオ接続のバイアンプ、(下)モノラル接続のバイアンプ

変則的なバイアンプ接続

 ここまでは、パワーアンプ2台あるいはそれ以上を使用しての接続例でしたが、プリアウト端子のあるプリメインアンプにパワーアンプを加えることで、バイアンプ接続を構成することも可能です。例えば、HFあるいはLFにプリメインアンプのパワー部を使用し、プリアウト端子につないだパワーアンプで残りの帯域を受け持たせることで成立します。パワー部が異なるアンプになるので、ステレオ接続のバイアンプとなりますが、バイワイヤリングを活かすひとつの方法となります。


 このように接続にはいくつかのパターンが存在しますが、実際には同じステレオアンプを2台使用するケースが多いように見受けます。前述の通りモノラル接続バイアンプの場合は同じアンプを使うことが必須ですが、ステレオ接続バイアンプでも2台を揃えた方が全体のキャラクターに違和感を感じる恐れが少ないというのも、同じアンプを2台使用するメリットといえると思います。

 接続方式の違いによる大まかな印象は、ステレオ接続バイアンプでは、がっちりとした音像をうまく表現でき、音楽の全体のまとまり感が特徴と言えます。モノラル接続バイアンプの場合は、左右チャンネルでアンプの筐体が分かれることもあり、セパレーションが非常によく、繊細な音場表現を目指す場合はこちらの接続法がお勧めとなります。また、左右が独立して設置が可能ですので、よりスピーカーに近く設置できるので、スピーカーケーブルを短く設定できるメリットもあります。もちろん、これは今までの経験上の傾向ですので、アンプの組み合わせ等により、表現が異なる場合も考えられます。ぜひいろいろと検討された上で、お好みに合う接続法を選んでいただければと思います。

2022/11/3 HOTEI(松浦正和)

 
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