オーディオシステムセッティング第5回:アンプなどの調整の前に |
前回まででスピーカーチューニングについては一区切りとなりますが、お伝えした手法をうまく実現できていれば、システムのクォリティはかなり引き出せていると思います。内容はシンプルですが、実際に私がスピーカーをチューニングする際に作業しているほとんどことは網羅していますので、納得のいくまでスピーカーを動かすなど、さらにお試しいただければと思います。 スピーカー調整が一段落したら さて、スピーカーの位置調整が一段落すれば、ここで時間をかけて現状の音をご確認ください。調整に使用した音楽だけではなく、いろいろなソースをお聞きいただき、音楽が楽しく聴こえるか、音像、音場はと細かい部分を時間をかけてチェックしてください。録音によって帯域バランスが異なる場合がありますので、できれば多くのソースでバランスが問題なく再生できていれば大丈夫ですが、もしバランスの振り幅が大きいようでしたら、再度スピーカーの位置を調整します。お気に入りのソースにターゲットを絞った調整もありですが、できれば幅広くいろいろなソースに対応できるバランスを目指すことも大事です。 次のステップに進むために いろいろなソースを聴いて、バランスなど特に問題がなければ次の調整に進めますが、この時点でシステムのクォリティはほとんど引き出せていると思います。この後、アンプやプレーヤーなどの細かな調整を行いますが、その前に調整の方向性について目標を設定しましょう。目標は音楽表現などに関わる部分で、例えばヴォーカルの表情、演奏の温度感などこまやかな部分になります。先のスピーカーチューニングでかなり音楽の骨格が整ったことで、細かい音楽表現について最初は気にならないかもしれません。実際私がスピーカー調整させていただいた後、音楽表現についてお聞きしますが、クォリティの向上などで変化が大きく、すぐに答えが出ないことが多々あります。そこで少し時間をおいて再調整を行うことで、時間経過とともに気づいた部分との差を埋める作業を行うこともあります。このように次のステップに進むには、そこまでの調整された状態に慣れることで、気づいた修正点を明確にしておくことで、ここから先の調整の方向性が見えてくると思います。 システム全体の調整に先だって 次回以降でスピーカー以外についても調整法をお伝えしていきますが、その前段階として、もし、現在のシステムを2年以上お使いの場合は、調整前に各接点のクリーニングを行いましょう。ここから先の調整が非常に微妙な変化ですので、極力クリーンな状態で作業を進めたいと思います。 クリーニング時の注意点 〇アンプなどシステムの電源をすべて落とす オプソル:端子クリン(Amazon) その他調整時に役立つツール エアジャッキ(Amazon) バルーン部は150mm×150oでエアを抜いた時の厚みは2.5o程度。ハンドポンプ付きで耐荷重は150kgですので、ほとんどのスピーカー重量に対応できます エアジャッキ使用例 写真上:スペーサを挿入 写真下:ジャッキで持ち上げスタンドの調整を行う 木製のキューブスタンドなど高さのある場合は、しっかりしたスペーサー(写真は木製のブロック)を使用することで拙宅の重いスピーカー(85kg)でも、わずかに持ち上げた状態をキープでき、スタンドの細かな位置調整に便利です。なお、スピーカーの重心位置を十分に考慮し、くれぐれも転倒しないようにご注意ください。 2022/10/4 HOTEI(松浦正和) |
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*本稿でご不明な点、ご質問などございましたら「こちら」までご連絡ください。 スピーカー位置の検討についてのご質問では、お部屋の写真を添付いただけると、イメージがつかめます。その際は正面、後方、左右、天井方向の写真とごく簡単で結構ですので、お部屋の縦横高さの寸法をお送りいただけましたら助かります。 |