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SB-M1との関係


 私とスピーカSB-M1のつきあいは、17年になります。私のオーディオの歴史はSB-M1からいかに自分の思う音楽を引き出すかにあったような気がします。今考えるとずいぶん長いつきあいになり、その間ミッドローユニットのエッジ交換や現在のバイアンプ使用のためのバイワイヤリング化改造などを経ていますが、基本的には全くオリジナルの状態で何の不自由も感じません。

 これだけ長く使い、おそらくこれからも大きな問題を感じることなく使い続けられれそうな気がしていますが、どうしてこれだけ長い期間使い続けられたのだろうと考えてみると、購入にあたっての基準が今もほとんど変わっていないからではないかと考えています。

 基準は自分にとって不自然のない楽器の音、そしてその表現に過不足のないものでした。もちろん楽器の音は録音によって大きく変貌するものですが、それであってもスピーカによっての質感の違いの方が私には大きく感じられました。Technics7に求めた楽器の質感と同等の物がSB-M1には備わっていました。

 即断をしなかったのも長くつきあえた要因でしょう。今のように比較的短時間で機器評価を行えるほど経験が無かったのですから、これで大丈夫と核心を持つにはさすがに時間が必要でした。何しろ安月給の身の上ですから失敗は大いにこたえますし、何よりその結果が自分自身に返ってくるのですから、慎重にならざるを得ません。

 SB-M1を最初に聴いてから、半年後にようやく購入を決断しました。気持ちは多くのスピーカと聴き比べ、その時点で他のスピーカを候補から排除した半年前に決まっていたと言えますが、決心をするまでにそれだけ時間がかかったと言うことなのかもしれません……。とにかく神戸、大阪などSB-M1を聴ける場所を訪ねて、聴き続けた半年でした。

 自宅に運び込まれたSB-M1は、当然最初から思い通りの音で鳴っていたわけではありません。ほぼ同時に購入したAccuphaseのC200LとP300Xのコンビで鳴らし始めたのですが、今のように経験を積み重ねていないので、スピーカセッティングもほぼ闇雲状態でした。 それでも、基本的な質感は私の思い通りに一番近い物を持っていましたので、良い点とそうでない点を合わせても、良い点の方が勝っていたのでしょう、決してあきらめにつながることはありませんでした。

 転機は思いがけなくやってきます。使い始めて10年も過ぎれば、セッティングのどこをいじればどうなるか、部屋の癖も併せて思い通りに対処することが出来るまでになっていました。その当時に石井さんと出会ったのです。
 SB-M1のミッドローユニットのエッジが痛んできたのがきっかけです。出来る限り標準の状態を保ちたいという気持ちから、最後の手段である石井さんに連絡を取り、無事修理を行えました。その話の中でお聞きした部屋の話は私にとって非常に斬新なものでした。

 その後私の部屋は石井さんの手によって伝送特性を事細かに計測され、それまでの部屋の縦使いから、横使いに変更することで非常に良くなると言う事が判明しました。実際それまでは縦使いで多くの場所を試していましたので、その蓄積をすべてご破算にするというこの変更は大きな冒険で合ったわけですが、測定によってはっきりと出てしまったことと、石井さん宅のSB-M1の低域と自宅の違いをまざまざ感じてしまったのですから、挑戦するのが一番ということになります。

 変更作業は家具やアンプなどの移動も伴いますので丸一日、しかもその間に計測を行いながらという手順でした。伝送特性は結果的に大きく向上しました。
(このセッティング変更の経緯と詳細は、後日石井式ページにて詳しく解説を行う予定です)

 しかし、可能性は大いに向上しましたが、購入直後と同じくすぐに思い通りの音が出るわけではありません。 すべてを動かした後ですので、基本的な部分は出した上で、その状態が落ち着くのを2週間待ちました。少し苦痛を伴う時間であったのですが、その時点で動かしても徒労に終わることは目に見えていましたので、我慢するのみでした。
 2週間を過ぎた頃、ようやく音が安定し始めたので、スピーカの簿調整、アンプの置き方の微調整を始めました。これでという状態は2ヶ月、最終的に落ち着いたと言える状態には半年かかっています。

 SB-M1は、最初家にやってきたときと比べれば、その再生音のクォリティを大きく向上させました。スピーカの基本的構成には何も手を加えていないのですから、セッティングによって本来のポテンシャルを引き出せるようになったというのが正確な表現でしょう。

 今となってはクォリティとしてSB-M1を越えるスピーカは数多く存在するでしょう。少しまじめかもしれません。色合いもどちらかといえば淡い方で、多くの海外製スピーカの持つ色数を聴かせる表現はありません。ある部分では至らない点も今は有るのかもしれません。しかし、SB-M1から表現される音楽の質感を考えると、私にとって他に変わるスピーカはこの17年の歳月を経過しても、出会うことはありませんでした。

***** HOTEI *****
Oct.22.2000

 

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